アンデスクイーンを追いかけて~名鉄杯編~
スレイプニルステークスの走りに大きな感動をもらい、「アンデスクイーンの残りレースを全て追いかけたい」そう決意した私。
早速グリーンファームのHPで次走の予定を調べてみたところ…
・7/4 スパーキングレディカップ(川崎競馬場)
・7/14 名鉄杯(中京競馬場)
・7/15 マーキュリーカップ(盛岡競馬場)
いずれかのレースを想定しているとのことでした。
中でも川崎で行われるスパーキングレディカップは牝馬限定の重賞レースです。ゴリゴリの牡馬と戦うよりも、当然勝てる可能性は高まるはず…!
一方、名鉄杯とマーキュリーカップの場合は、また強い牡馬たちと当たることになります。
「川崎に出られるといいなぁ~」と日々情報をチェックしていましたが、ダート路線の牝馬はこうした牝馬限定の重賞レースに殺到してしまうため、アンデスクイーンは補欠4番手となってしまいました。
(※競走馬は芝のコースを走ることが得意な馬、砂のダートコースを走ることが得意な馬で適正が分かれます。アンデスクイーンはダートに適正のある馬ですが、JRAでは牝馬限定のダート重賞レースの開催がありません。なので賞金を稼ぐためにはダートレースが主流の地方競馬場で行われる牝馬限定のダート交流重賞競走に出たい…というわけです。)
さらに盛岡のマーキュリーカップも補欠となってしまい、出走を回避する馬も出なかったため、最終的にアンデスクイーンの次走は中京競馬場で行われる名鉄杯に決まったようでした。
中京競馬場へいざ遠征!
これが初・競馬場遠征です。
名鉄杯は当日のメインレース(11R)だったので、それまでは他のレースの馬券を買ってみたり、中京競馬場の中を見て回ったりしてみましたが…
やはり落ち着かず、結局またアンデスクイーンが出てくる1時間前くらいからパドックにいました。
パドックでは…前回も見た横断幕を発見!
一人で遠征し、緊張している中、なんだかホッとしました。
馬の関係者の方はもちろん、こうしたファンにまで高揚感を与えてくれる横断幕って素敵だな…と眺めながら思いました。
そして、そうこうしている間にポツリポツリと小雨が。。
そんな中…
この日も活気に満ちた、元気な歩き方で登場したアンデスクイーン。
"これからレースで走る"ということがわかっているかのような、まっすぐで迷いのない瞳を見ているだけで心を打たれます。
アンデスばかり撮っていて全く写真がないのですが…この名鉄杯には、やはりスマハマやジョーダンキングなど、ムキムキの骨っぽい牡馬が結集していました。
ですが、悲観することはありません!
アンデスも体の大きさでは負けてはいないのです。
400kg台の牡馬もいる中、アンデスクイーンは堂々の502kg!
(ちなみにクイーンマンボに至っては全11頭中3番目に馬体重の大きい512kgでした)
フレー!フレー!ひ・ん・ば!!
脳内でそんなエールを送りつつパドックを眺めていたら、無事に雨も上がっていました。
今回の鞍上は松山弘平ジョッキーです。
戸崎ジョッキーは同日に開催されていた福島競馬場で騎乗していたようです。
朝から中京競馬場にいましたが、この日の松山ジョッキーはなんと既に3勝もしていて絶好調!
「お願いしますお願いします…(念)」
松山ジョッキーに念を送りつつ、返し馬に向かう姿を見送りました。
そしてレースが始まった。
ちなみに名鉄杯は名古屋鉄道で使われている曲がファンファーレになっているという珍しいレースです。
この日もブラスバンドによるファンファーレの生演奏がありました。(が、極度の緊張によりもちろん撮影などしていません…)
スタート直後から勢いよく走って…
今回「あれっ?」と思ったことが、前目につけていることでした。
前走・前々走と4コーナーまでは中団~後方につけていて、直線で一気に抜け出す…という姿を見ていたので、今回は馬場状態(ダート重で明らかに高速でした)に合わせた作戦なのかな?上手くいってるのかな?とドキドキしました。
道中、牡馬相手にも全く怯まない姿、とても立派です。
レースは4コーナー手前にして、既にスマハマとジョーダンキングの2頭の一騎打ちとなっていました。
この2頭に続いて、ローズプリンスダム、そして4番手に出てきたアンデスクイーン。
はるばるアンデスクイーンを応援しに来た私ですら「あぁ…さすがにもう絶対届かない…」そう思いました。
だけど
全くあきらめない走りをしているんです。
アンデスクイーン自身が。
一人で来ていることや周囲の目など忘れ、思わず大声で叫んでしまいました。
ゴール板近くで見ていましたが…
まさに突風のように、その姿が見えないほどに速く通り過ぎていきました。
たとえ届かなくとも…
最後の最後まで全力を振り絞ったアンデスクイーン。
手前を走っていたローズプリンスダムも粘りを見せて結果は4着となりましたが、着順などどうでもいいと思えるほどの気迫の走りにただただ圧倒されて涙が出ました。
結局、1着でゴールしたスマハマはコースレコードを叩き出すという高速決着となった名鉄杯。
その中で見たアンデスクイーンのひたむきに前だけを見て走るハートの強さ。
どうしてこんなにも頑張れるのか?
大きな大きなパワーを与えてもらったような気持ちで、帰りの新幹線に乗りました。