アンデスクイーンを追いかけて~レディスプレリュード編~
ブリーダーズゴールドカップで重賞初優勝を果たしたアンデスクイーン!
netkeibaのトップニュースにアンデスが出てきたり…
地方競馬情報サイトのページが【2019年優勝馬アンデスクイーン】と更新されたり…
その度に「おぉぉぉ~!」と感激してスクリーンショットを保存しました。
2020年のブリーダーズゴールドカップのレース中継では、過去優勝馬のダイジェスト映像でアンデスの映像も流れるのでしょう。たぶん当日のことを思い出して泣いてしまうかもしれませんが…今からとても楽しみにしています!
そしてこの優勝で賞金も大きく加算できたアンデスクイーンは、次走も牝馬交流重賞レースの『レディスプレリュード』に出走できることになりました!
そして、ブリーダーズゴールドカップで大きな感動を貰ったことで、私にもある思いが芽生えていました。
それは…「横断幕を作って出したい!」ということです。
私自身、パドックの横断幕を見るのが大好きで、競馬場でも中継でも必ず横断幕をチェックしてしまいます。
デザインがお洒落だったり面白かったり、キャッチフレーズがかっこよかったり、手作りの心のこもったものだったり…横断幕が印象的で「注目してみよう」と思う馬もいたりするほどです。
アンデスクイーンも既にかわいい横断幕が1枚出されていて、パドックで見つける度に「あった!」とワクワクさせてくれます。
そこにもう1枚出して「応援している人が沢山いますよ!」と表すことができたらいいなぁ…と。私は応援することしかできないので、それならば徹底的に応援してみようと思いました。
横断幕が出来上がるまで。
とはいえ、画力・デザインセンス・手先の器用さ…すべて皆無。
横断幕制作業者へデザインから依頼するのが良いのか……でもせっかく作るのであれば"私が思うアンデスクイーン"のイメージぴったりのものを作りたい。。
色々調べて悩んだ結果…
勇気を出してとある方にお願いするだけしてみよう…と決意しました。
その方こそ、競走馬イラストレーターのこぶじめ様です。
私が競馬に興味を持ち始めた頃、Twitterにこぶじめ様が載せていた漫画を目にして胸が熱くなり、それからすっかりファンになって更新されるイラストや漫画をいつも楽しみにしています。
とにかく馬に対する敬愛の気持ちが作品からあふれていて、この方にアンデスクイーンを描いていただけたら…と妄想していました。
しかし見ず知らずの者がいきなりご相談させていただいてもよいものか…少し考えましたがもう"当たって砕けろの精神"でDMにてご相談させていただきました。
すると……
とても丁寧かつお優しい返信が!
こうして横断幕のイラスト&デザイン制作を引き受けていただけることになったのです!
制作していただくにあたって、私からの要望は…
・西園正都厩舎カラーをモチーフに
・栗毛がピカピカできれい
・レースになるといつも一生懸命で、ど根性&全力で走り抜く姿が好きなのでそういったイメージで
・「GO!ど根性乙女!」というキャッチフレーズを入れて欲しい
本当にこれだけでした。。(ざっくりすぎる。。)
それがなんとイメージを遥かに超えるほどの素晴らしい内容で描いていただけたのです…!!
印刷は「のぼり急便Z」さんにお願いしました。
(かなりタイトな依頼になってしまったにも関わらず超迅速&丁寧に対応して下さりました!)
嬉しくて1日に何度もこの横断幕を開いては見てを繰り返し…いよいよ10月3日、レディスプレリュード当日を迎えます。
緊張の横断幕初掲出…!
しかしこの作った横断幕…
『掲出できなかったら意味が無い!』
ということで、前日~競馬場到着までの時間は極限の緊張状態にありました。
(夢にまで横断幕が出てきた日もありました…)
平日の地方競馬場だし、JRAのように殺到はしないだろう。。でも熱狂的なジョッキーファンの方々は多そうだし。。
ほんの片隅のスペースでも良いから、無事掲出したい…!
正門入って左、正門入って左・・
心の中で呪文のように唱えながら早めに向かい、開門の1時間前には大井競馬場に到着。
感想は「早く着きすぎた。。」
指定席購入列に少しだけ列が出来ていたものの、開門待ち列にいたのはわずか2名!
しかし。私は見た!
うち1名の方のバッグから、横断幕のようなものがはみ出している!
「開門したら、この人に付いて行こう٩( 'ω' )و 」
心強いパートナー(←一方的)を見つけたこともあり、緊張感は続きつつも、さすがに大丈夫だ…と安堵しました。
ついに来た、開門時間。
入場ゲートをくぐった途端ダーーーッと走っていく横断幕持ちの方を追いかけ、無事申請所にて用紙に必要事項を記入し、申請完了!
そして…
このように…!
結び方の正解がわからない&紐が短すぎて、張り方が超へたくそだという点は置いといて、、
横断幕を出せました!!
(気づけばずらりとジョッキー幕に囲まれていて恐縮…)
「あぁ~よかった~~~」
緊張状態が一気にほぐれて、それからしばらくは出した幕を見ながら、ボーっとしてしまいました。
レース前のうれしい交流。
アンデスクイーンを追いかけ始めてから、意図せずも常に一人きりで行動していた私。
それが、なんと今回はnetkeiba.comの掲示板への書き込みがきっかけで声をかけていただき、アンデスクイーンの一口馬主(出資者)の方とお会いすることができました…!
また、その方のつながりで多くの出資者の方々とアンデスについてお話させていただくことができたのです。一人であり余りすぎる時間を過ごしたあの門別競馬場の一日が嘘のよう。。
そして、その際にいただいたのがこちら。
ブリーダーズゴールドカップの優勝記念クオカードです!
これは一般販売されているものではなく、アンデスクイーンの出資者の方限定で注文できる記念品です。
グリーンファームのHPでこのクオカードが制作されることは知っていて「へぇ~いいな~」と思いましたが、自分には縁の無いものと思っていたので、本当に嬉しかったです。
何より私のような新参ファンにも渡そうと思って持ってきてくださった気持ちがすごくありがたく、ただただ感激でした。
こうしてあっという間に時は過ぎて…パドックが始まりました。
この日も本当に安心して見られる。
落ち着いているし、気合も乗っているし、毛艶もピカピカに輝いています!
この日は、前走のブリーダーズゴールドカップでも激突した実力馬・プリンシアコメータや、牡馬相手のレースでも着実に好走し続けるファッショニスタなど強いメンバーが揃いました。
前走で優勝しているアンデスクイーンですが、最終的には3番人気と落ち着きました。
(前走のブリーダーズゴールドカップの予想番組ではトラックマンに「アンデスクイーンは未知の魅力で買いたくなるんでしょう」なんて言われて、印も△なんか付けられていましたが、今回は本命◎や対抗○をつけている予想家が多かったです!)
何より頼もしいのが…
今回も戸崎ジョッキーとのコンビであるということ!
前走の勝利ジョッキーインタビューでは「初めて乗せていただいた時から、牝馬ですが、ドッシリとしてパワーのある馬だと感じていました。今後さらに良いレースを期待できると思います。」とコメントしていました。
きっとこのコンビならまたやってくれる…!
どんどん期待感が高まります。
仕事帰りの友達も駆けつけてくれて(アンデスではなくサラーブの単勝馬券を買っていたけど…)いよいよ重賞連覇をかけたレースが始まります。
戸崎&アンデス、最高の名コンビ!
20:10を迎え、いよいよスタートの時間です。
前走の大外枠とはうって変わって、今回は内枠の2番です。
ポンッと良いスタート決めたアンデスクイーン。
お隣の1番はプリンシアコメータです。
やはり先行するクレイジーアクセル、そしてファッショニスタも勢いよく飛び出していきます。
前走とは異なり、アンデスクイーンは1コーナー時点で後方の位置取りとなりました。
そのまま3コーナー前を迎えるも…
まだこの位置にいて、一瞬「このまま前が開かずに終了したらどうしよう…」などと不安な気持ちが頭をよぎってしまいました。
(実際現地では、どうしようどうしようを連発してしまい申し訳ございませんでした><)
しかし次の瞬間、アンデスを徐々に外に持ち出す戸崎ジョッキー。
それを見て、このままで終わる訳がない、そう思い直しました。
(これは今改めて冷静に映像を見返して思うことですが)アンデスも戸崎ジョッキーに進路を導かれて、スイッチが入ったように見えます。
まさに阿吽の呼吸です!
残り600mを通過してぐんぐんと前に進出しはじめる戸崎&アンデスコンビ。
4コーナーに到達する頃には…
先頭集団との差をここまで詰めてきました。
そして4コーナーのカーブです。
「来い!」「がんばれ!」「アンデスいけ~!」
熱い声援が飛び交う中、戸崎ジョッキーが仕掛け、アンデスは加速します。
「外から2番アンデスクイーンが差を詰めてくる!」という実況どおり、1頭また1頭と交わして、ついに先行する2頭も射程圏内に入った!
もう止まりません!
このコンビは「ここでこういう風に走ってきて欲しい」と皆が期待し願う"アンデスクイーンの走り"を、そのまま叶えてくれるのです。
鮮やかな走りにまたもや鳥肌が立ちます。
ついにクレイジーアクセルを捕らえ、次の瞬間には…
先頭のファッショニスタも捕まえた!
そしてそのまま、アタマ差ひとつ抜けてゴール!
戸崎ジョッキー&アンデスクイーンの名コンビはついに重賞連覇まで果たしてしまったのです!!
この日は出資者の方々がゴール近くに大勢集まっていて、周囲は喜びの歓声に包まれました。
私もその場にいられたことがすごく嬉しかったです。
戸崎ジョッキーの勝利インタビューによると「出足が付かず後方スタートになったのが不安だったけど、馬は堂々と手ごたえよく、自分からハミを取って走って行ってくれた。」とのこと。さすが負けず嫌い根性娘…!
さらに「先頭に立ってから少し遊ぶような面も見せて、余裕があったのかなと思いました」とも言っていて、アンデスにはそういう一面もあるのか…!と驚きました。
あれだけの加速をしつつも、まだ余裕を残していたと考えると物凄いパワーです。。
実際に戸崎ジョッキーは「追ってからのしぶとさもこの馬の武器」とも言っていました。
「引退までにこのコンビはどこまでいけるのだろう!?」
そんな期待が膨らみ、きっとアンデスクイーンのラストランまでこのコンビの活躍を見ることができるのだろう。
残された時間は少ないけど、楽しみで胸がいっぱいになりました。
しかしそのわずか1ヵ月後。
アンデスを通じて、私は競馬というスポーツの難しさも教わることになるのです。。
(不穏な文末になってしまいスミマセン。笑)